Blog 一番星

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これは、Jr.,ジョン・D. アンダーソン=著, 織田 剛=訳「空気力学の歴史」アマゾン・レビューのβ稿です。

このβ稿は1300字あります。アマゾン・レビューは800字以内であることが求められているため、アマゾン・レビューへは500字程度削った文章を投稿しました。


人類はいかにして超音速機を設計できるようになったのか


「空気力学の歴史――飛行理論の発見と航空機設計への反映――アリストテレスから超音速機まで」、内容を伝えるという観点から、副題を私なりに付けるとこうなる。

本書は訳書であり、原書名は「A History of Aerodynamics and Its Impact on Flying Machines」である。直訳すれば「空気力学の歴史および航空機へのその影響」である。

以下のような言葉に興味をもつ人は、この本を興味を持って読めると考える。

 航空機・流体力学・科学史・技術史・工学・科学から技術へ(科学の技術移転)・経験と科学


●大要

本書には、流体力学の黎明(数式表現以前)からの空気力学(航空分野の流体力学)の発展史が書かれている。

乱暴に言えば、紀元前から始まる、超音速機開発史である。人類が、どのような発見をし、時に間違いをおかし、どのような実験装置を作って、どのような知見を獲得し、人と人・人とモノがどのような刺激をして、最終的に超音速機を設計できる状態になったのかが書かれている。

この発展史は、紀元前350年のアリストテレスによる、連続体と、連続体中を動く物体に働く抵抗の概念(p.21)から始まる。最終章は超音速機を主に扱っており、1950・60年代の極超音速飛行・計算流体力学(p.574)で終わる。

なお、本文の折り返し地点は、ライト兄弟(動力飛行:1903年)について書かれている。


● 特徴1: 各年代の最新の空気力学が、当時の航空機設計にどのように活かされていたか

各年代の最新の空気力学が当時の航空機設計にどのように活かされていたかについて述べられている。筆者は以下のとおり宣言している。

「本書ではある重要な質問に答えることを心がけている。その質問とは、ある時代の空気力学の最先端技術が、実際にその時代の飛行機の設計にどの程度取り入れられていたのかということである。(p.vi)」

これは、経験よりも理論に得意をもつエンジニアにとって、関心をもつ部分であろう。私も関心を持った。

本書は以下を主張している。

理論空気力学の知見を参考にせず(応用空気力学は参考にされた)、技術者リリエンタールとライト兄弟が飛行機をまず飛ばす。実機は科学者を飛行機にひきつけ、空気力学が大いに発達する。しかし、設計者はその間に経験を積み、経験に基づく設計に自信をもち、最新の科学(学術研究)の成果が設計に反映されない。

しばらくして、実機にひかれた科学者は、科学と設計者の間の橋渡しを果たすようになる。こうして、「それらの橋を渡る情報量と渡る流れの速さは設計者がどれほど必要としているか、つまり必要性に依存(p.559)」するようになった。

● 特徴2: 空気力学の発展に人の人生あり

本書に登場する人は、帯に「抜粋」として挙げられているだけでも 40名にのぼる。各人の略歴が脚注や表ではなく、本文中に書かれているため、各人の人生を空気力学の発展史に組み込んで読者は読むことができる。

同時代の人とのつながりについても言及されており、例えば、ナビエは、フーリエの弟子であり且つ友人であった(p.115)ことが書かれている。
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