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Blog 一番星

雑記。ときどき日記。


 

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要約:
ヒューマンエラーを防ぐ知恵」は、失敗学ではあまり触れられてこなかった人間系の過失に触れ、それに対する解決策立案について論じている。

失敗学に対して、厳密には階層下に位置するが、実質的には並列関係にあるといえる。

404 Blog Not Found:失敗防止学の教科書 - 書評 - ヒューマンエラーを防ぐ知恵において、

>本書は失敗学ともかなり重なるが、違いもある。「失敗は予測できる」をはじめとする「失敗学本」は、まず「失敗から学ぶ」ということで、実際におきた失敗を重視しているが、本書の場合、それを防ぐにはどうしたらよいかというのが焦点。失敗学を「科学」とすると、本書のそれは「工学」ということになる。

と書いてあるので、失敗学の延長のつもりで読んだら、違和感が生じた。いままでに読んだ失敗学の本との知識のリンクがとれないのだ。

それもそのはずで、題名に"失敗"の文字はない。3ページある「まえがき」にも"失敗"の文字はない。目次(つまり各章各節の見出し)にも"失敗"の文字はない。

そこで、「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」と、いままで呼んだ"失敗学"の本を比較した。

■ 前置き

失敗・事故が発生する「現場」は、機械系(システム系)と人間系から構成される。人間系は、過失と故意の違反(いけないことはわかっているけれどもコスト削減・手抜きのためにやった。「だまし運転」など)からなる。

つまり、
  • 機械系
  • 人間系
    • 過失
    • 故意の違反

■ 「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」

範囲: 人間系の過失
重点: 解決策の立案


概要:

今までうやむやにされることが多かったヒューマンエラー(人間系の過失)を対象にしている。

直感的に得られる対策である「人間への指導」という手段をよらない解決策を導こうとしている。

原理がわかなくても解決策を立案できることが重要視される工学的領域にある。

もうすこし詳細:

問題のとらえ方として、以下の6通りの捉え方をするように推奨されている。

中田 亨 : ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (化学同人 DOJIN選書, 2007) pp.60-63.

>前提条件の問題だ
>やり方の問題だ
>道具と装置の問題だ
>やり直せればよい
>致命的でなければよい
>認識の問題だ

この捉え方と「なぜを五回繰り返す」を表現したような「ミス対策検討用紙」(p.147)がある。

また、機械系と人間系との接点であり、情報伝達に齟齬が生じる可能性があるインターフェイスは、ヒューマンエラーが発生する大きな源であるため、インターフェイス論が大きく取り上げられている。


■ 失敗学

範囲: 機械系・故意の違反・過失
重点: 失敗情報の利用促進

概要:

すべての失敗・事故を対象にする。しかし、ヒューマンエラーに関しては扱われることは「少なかった」/(その蓄積として)「少ない」。反して、機械系の失敗および人間による故意の違反を原因とするものに関しては、情報が蓄積されている。この情報空間から得られる結論は、未知の事故原因が生じることをあまり考えなくてよい、である。

よって、これまでの失敗情報の利用促進に重点が置かれている。

失敗学が期待している行動は、失敗知識の伝承と、アナロジー(類推)による失敗予測である。

データベースの作成手法の考案*・データベースの公開、そして41原因への整理(体系化の一歩)**はその目的のためである。

科学領域にあり、また教育体系が語られる段階にある。

* 関連引用: 畑村 洋太郎 : 失敗学のすすめ (講談社, 2000) p.109.

>事象、経過、原因、対処、総括に知識化を加えた六項目の記述は、後に役立つ失敗情報を正しく伝える上で最も適したスタイルです。

また、航空業界におけるデータマイニングによる事故要因の可視化(参考: 佐々木 俊尚「ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す」第四章)が例としてあげられる。

** 中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」
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