Blog 一番星

雑記。ときどき日記。


 

 現在、本ブログには個人的なことを書いています。
  社会系の記事は「TAKAGI-1の目から」に、
  科学・技術系の記事は「TAKAGI-1の科学・技術的日々」に書いています。
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夏目漱石 三四郎

「じゃ何を見ているんです。ぼくにはわからない」
「私さっきからあの白い雲を見ておりますの」
 なるほど白い雲が大きな空を渡っている。空はかぎりなく晴れて、どこまでも青く澄んでいる上を、綿の光ったような濃い雲がしきりに飛んで行く。風の力が激しいと見えて、雲の端が吹き散らされると、青い地がすいて見えるほどに薄くなる。あるいは吹き散らされながら、塊まって、白く柔かな針を集めたように、ささくれだつ。美禰子はそのかたまりを指さして言った。
「駝鳥(だちょう)の襟巻(ボーア)に似ているでしょう」
 三四郎はボーアという言葉を知らなかった。それで知らないと言った。美禰子はまた、
「まあ」と言ったが、すぐ丁寧にボーアを説明してくれた。その時三四郎は、
「うん、あれなら知っとる」と言った。そうして、あの白い雲はみんな雪の粉(こ)で、下から見てあのくらいに動く以上は、颶風(ぐふう)以上の速度でなくてはならないと、このあいだ野々宮さんから聞いたとおりを教えた。美禰子は、
「あらそう」と言いながら三四郎を見たが、
「雪じゃつまらないわね」と否定を許さぬような調子であった。
「なぜです」
「なぜでも、雲は雲でなくっちゃいけないわ。こうして遠くからながめているかいがないじゃありませんか」

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佐藤一斎 : 言志録 124条

>雲烟は已むを得ざる[:やむをえざる]に聚り[:あつまり]、風雨は已むを得ざるに洩れ、雷霆は已むを得ざるに震う。斯に[:ここに]以て至誠の作用を観る可し。

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たなびかぬ 時こそなけれ 松もなき
  松が崎より 見ゆる白

紀貫之
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梶井 基次郎 : 檸檬 p.16.

短編「城のある町にて」より。

>裾のぼやけた、そして全体もあまりかっきりしない入道雲が水平線の上に静かに蟠っている [:わだかまっている]。
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